消費税に関する届出書は種類が多く、それぞれ提出期限が異なります。期限を過ぎると希望する制度を利用できなくなるケースもあるため、正確に把握しておくことが重要です。

本記事では、フリーランス・個人事業主が関わることの多い届出書の種類と提出期限をまとめて解説します。

主な届出書の一覧と提出期限

届出書の名称 提出するタイミング 提出期限
消費税課税事業者届出書(基準期間用) 基準期間の課税売上高が1,000万円を超えたとき 速やかに(事由が生じた後すぐ)
消費税課税事業者選択届出書 免税事業者が自ら課税事業者を選択するとき 適用を受けたい課税期間の初日の前日まで
消費税課税事業者選択不適用届出書 課税事業者の選択をやめるとき 不適用にしたい課税期間の初日の前日まで
消費税簡易課税制度選択届出書 簡易課税制度を利用したいとき 適用を受けたい課税期間の初日の前日まで
消費税簡易課税制度選択不適用届出書 簡易課税をやめたいとき 不適用にしたい課税期間の初日の前日まで
適格請求書発行事業者の登録申請書 インボイス発行事業者に登録するとき 登録希望日の15日前まで(原則)
適格請求書発行事業者の登録取消届出書 インボイス発行事業者の登録を取り消すとき 取消を受けたい翌課税期間の初日から起算して15日前の日まで

特に注意すべき届出と期限

消費税簡易課税制度選択届出書

簡易課税は、事前に届出書を提出しないと利用できません。個人事業主の場合、翌年分から適用を受けたい場合は前年の12月31日までに提出する必要があります。

例えば、2027年分(令和9年分)から簡易課税を適用したい場合は、2026年12月31日までに届出書を提出します。

なお、インボイス制度を機に課税事業者になった方については、経過措置により提出期限の特例が設けられています。具体的には、適用を受けたい課税期間中に提出すれば、その課税期間から適用を受けることができます。

適格請求書発行事業者の登録取消届出書

インボイス発行事業者の登録を取り消す場合、提出期限に注意が必要です。翌課税期間の初日から15日前までに提出する必要があり、個人事業主の場合は12月17日頃までが期限となります。

e-Taxでの提出方法

消費税関連の届出書は、e-Tax(国税電子申告・納税システム)で提出できます。

  1. e-Taxソフト(WEB版)にログイン:マイナンバーカードまたはID・パスワード方式で認証
  2. 申告・申請メニューから選択:「消費税」カテゴリから該当する届出書を選択
  3. 必要事項を入力:事業者情報、届出内容、適用開始課税期間などを記入
  4. 送信:電子署名を付して送信

紙の届出書と異なり、24時間いつでも提出でき、提出日時の記録が残るため、期限管理が確実にできるメリットがあります。

届出を忘れた場合のリスク

届出書の提出を忘れると、以下のようなリスクがあります。

  • 簡易課税が使えない:届出を忘れると、希望する課税期間から簡易課税を適用できず、原則課税で計算することになります。場合によっては納税額が増加します。
  • 登録取消が遅れる:インボイス発行事業者の登録取消が希望する時期に間に合わず、さらに1年間課税事業者として消費税を納める必要が出る可能性があります。
  • 課税事業者の選択が解除できない:不適用届出書を期限内に出さないと、もう1年間課税事業者のままとなります。

スケジュール管理を徹底し、余裕をもって届出書を提出することが重要です。

※本記事は2026年2月時点の情報に基づいています。届出書の様式や手続きは変更される場合がありますので、最新情報は国税庁のウェブサイトでご確認ください。