2026年分の確定申告を最後に2割特例が終了します。「特例が終わったら届出が必要なの?」「何もしなくても大丈夫なケースはある?」と疑問をお持ちの方も多いでしょう。
本記事では、2割特例終了後に必要な届出の一覧と、届出が不要なケース、届出を忘れた場合のリスクを解説します。
2割特例終了後の選択肢と届出の要否
2割特例が終了した後、個人事業主がとれる選択肢と、それぞれの届出の要否を整理します。
1. 3割特例を利用する → 届出不要
3割特例は2割特例と同様に届出書の提出は不要です。確定申告の際に適用するかどうかを選ぶだけで利用できます。ただし個人事業主のみが対象で、2028年末までの時限措置です。
2. 簡易課税を選択する → 届出が必要
「消費税簡易課税制度選択届出書」の提出が必要です。適用を受けたい課税期間の初日の前日まで(個人事業主は前年12月31日まで)に提出します。
- 2027年分から適用 → 2026年12月31日までに届出
- 2028年分から適用 → 2027年12月31日までに届出
3. 原則課税で申告する → 届出不要
原則課税は消費税計算の基本的な方法であり、特別な届出は不要です。簡易課税の届出を出していなければ、自動的に原則課税となります。
4. 免税事業者に戻る → 届出が必要
「適格請求書発行事業者の登録取消届出書」の提出が必要です。翌課税期間の初日から15日前の日までに提出します。
- 2027年1月1日から免税に戻る → 2026年12月17日頃までに届出
さらに、課税事業者選択届出書を提出していた方は「消費税課税事業者選択不適用届出書」も必要です。
届出が不要なケース
以下のケースでは、2割特例終了後に届出書の提出は不要です。
- 3割特例を利用する場合:確定申告時に選択するだけでOK
- 原則課税で申告する場合:簡易課税の届出を出していなければ自動的に原則課税
- 既に簡易課税の届出を出している場合:改めて届出を出す必要はなく、自動的に簡易課税が適用される
つまり、「何もしなければ原則課税」になるのが基本です。3割特例が使える方は、申告時に3割特例を選ぶだけです。
届出忘れのリスク
届出を忘れた場合の影響は、選択肢によって異なります。
簡易課税の届出を忘れた場合
- その年は原則課税で申告することになる
- 仕入率が低い業種(サービス業など)では納税額が大幅に増える可能性がある
- すべての取引でインボイスの保存が必要となり、事務負担も増加
- 翌年分から簡易課税を適用するには、改めて届出が必要
登録取消届出を忘れた場合
- インボイス発行事業者のまま、課税事業者として消費税の申告・納付が必要
- 翌年の課税期間が始まる15日前まで届出ができず、最低1年は課税事業者のままとなる
2割特例終了に備えた届出スケジュール
個人事業主が2026年中に行うべき届出スケジュールをまとめます。
- 2026年前半:各制度で納税額をシミュレーションし、最適な制度を選択
- 2026年10月頃まで:取引先への影響を確認(免税事業者に戻る場合)
- 2026年12月17日頃:登録取消届出書の提出期限(免税事業者に戻る場合)
- 2026年12月31日:簡易課税制度選択届出書の提出期限
年末は多忙になりがちです。遅くとも11月中には方針を決め、届出の準備を進めることをおすすめします。
まとめ
2割特例終了後に届出が必要なのは、「簡易課税を選ぶ場合」と「免税事業者に戻る場合」の2つです。3割特例または原則課税であれば届出は不要です。まずは各制度の納税額を比較し、自分に最適な制度を選びましょう。
当サイトの消費税シミュレーションで、各制度の納税額を簡単に比較できます。届出の判断材料としてぜひご活用ください。
※本記事は2026年2月時点の情報に基づいています。届出の期限や手続きについて不明な点がある場合は、税理士にご相談ください。